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今月の相談コーナー 毎月 経営に関する様々な疑問にお答えいたします

2017年5月号
金融機関との取引関係を検討する

数年前、主力銀行から借入金の返済猶予をしてもらったことがあります。その後、業績も回復し、売上高も当時から4割ほど上昇、増加運転資金の申し込みをしていますが難色を示され困っています。

1.金融機関も大きく変わる

最近、日銀による「主要銀行貸出動向アンケート」では、中小企業の資金需要がこれまでの資金繰り悪化を原因とするものから大きく変わり、設備資金を中心として増加傾向にあることが示されており、経営者の積極姿勢への変化が感じられます。

一方、金融機関の融資姿勢もこれまでのような相続税対策のアパートローンや住宅ローン重視から、地域の中小企業に目を向け始めたとの感触も感じられます。このような融資方針の転換は人口減少とマイナス金利が継続する中で、金融機関間の統廃合が強く進められていることにも関係しているように見受けられます。

2.金融行政の基本方針

昨年10月に公表された金融庁の基本方針で「担保、保証に過度に依存すること無く、取引先企業の事業内容や成長性を適切に評価(事業性評価)し、企業価値増加につながるアドバイスとファイナンスの提供」を金融機関に強く求めており、これまでの不良債権査定を中心とする検査基準を大きく転換させています。

また、信用保証制度も大きく見直され、中小企業庁から信用保証付き融資と同時に当該金融機関によるプロパー融資との併用による保証を原則とする旨が通達されています。これまで行われた100%保証協会付き融資での不良債権化が多く見受けられ、信用保証付き融資に頼った金融機関の審査基準が甘いとの指摘を受けての改正です。今後は保証協会付き融資についても審査能力の向上が求められます。しかし、過去20年以上続いた融資姿勢が大きく転換されることについては、なお時間がかかると予定され、地域活性化と一体化している中小企業のためにトップの積極的なリーダーシップに期待したいところです。

3.わが社の事業を理解してくれない

このような愚痴をこぼす経営者が多いようです。しかし、一方、中小企業でも積極的に理解を求める姿勢に物足りなさも感じます。

(1)支店長に会いましょう

経営者の多くは、借入の時だけ銀行に足を運び普段は「君子危うきに近寄らず」と敬遠していることも多いようですが、常日ごろから決算書や月次試算表などを持参し、支店長に気軽に接触できる体制づくりをしておく必要があり、そのような関係が構築されているからこそメイン銀行なのです。しかし、ご質問のように支援の理解を得られないようであれば、新たに金融機関を開拓することも検討しましょう。取引先や場合によっては会計事務所などを通じて紹介してもらいます。なお、この場合でもできる限り、これまでの取引金融機関との関係は継続しておくことが必要です。金融機関の統合や人事異動などにより融資姿勢が変更されることも十分考えられます。現在の金融機関との関係を完全に断絶してしまうと悪感情を持たれ、結果的に風評の悪化などにより会社にとっても有利には働かないように感じます。

(2)複数行取引のすすめ

さらに、1行取引は危険です。1行取引で融資を断られたら資金調達の道が閉ざされ、新規金融機関を開拓するについても時間がかかります。借入金利についても競争があるから引下げに応ずるわけです。金融機関自身も厳しい環境の中で「1行取引だからなんとかしてくれるだろう」と考えることは甘すぎます。知恵もお金も貸してくれる金融機関との取引関係の構築を検討すべきです。

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