今月の相談コーナー 毎月 経営に関する様々な疑問にお答えいたします
2011年3月号
- 2、3年ぶりに、新入社員の入社が決まりました。何とか定着して欲しいのです。どのように接すべきですか。
- 社内における教育方針は業務のマニュアル化と丁寧な説明が基本です。
一、どのように迎えますか
昨年度の大卒から、いわゆる「ゆとり教育」世代の新入社員が社会に入ってきました。
この世代の特徴としては、少子化のため家庭や学校でも塾でも大切に保護され「やってもらうことが当たり前」というのが常識で合理的な反面、我慢や忍耐が苦手という特徴があります。
従って、社内における教育方針は業務のマニュアル化と丁寧な説明が基本です。
二、 業務は属人的で入りにくい
中小企業では従業員数が少ないため長期間1つの業務を特定の1人が行っている場合が多く、仕事自体に属人的な匂いが強くその人なりのプロセスと方法で日常業務を行っています。
このため他人が口出しできにくい雰囲気になっており新入社員には全く入りにくい世界です。
新入社員を迎えるにあたり、このような業務の標準化やマニュアル化、改善策を検討することも併せて行うことをお勧めしたいと思います。
三、 世代の壁を意識しよう
新入社員にとって心強いのは、お兄さん、お姉さん世代への気軽な質問です。
久しぶりに新入社員を迎える職場では、世代間のつながりが切れており上司も先輩社員もベテランだけに近寄りがたく質問しようにも質問しがたいプレッシャーがあることも理解する必要があります。
新入社員に最も近い年代の相談者を決めて身近なところから人間関係を構築する工夫が必要と考えられます。
また、全員がかって自分が新人であった時代を思い出し、職場で当たり前に使っている業界用語や専門用語も内容をできるだけわかりやすく説明するなどの配慮が必要です。
四、 仕事の基本を身につけさせる
職場における挨拶や服装など基本的マナーと同時に、証憑・帳票等の取扱、コピーをきれいにとるなどは最初の1週間で身につけさせましよう。
次の段階では、その人が担当する仕事について「わからないことはすぐに質問する」ということや、いま行っていることが次にどこにつながっているのかを理解させたり、重要度と緊急性から優先順位を判断できるような指導をすることも大切です。
このような基礎的な理解力を身につけることで、例え小さな仕事であっても確実にやり遂げる経験をつけさせ、業務に貢献した場合には直ちに「ほめ言葉」を掛けましよう。