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今月の相談コーナー 毎月 経営に関する様々な疑問にお答えいたします

2009年9月号

3ヶ月連続して現金(ここでいう現金とは現金と当座預金、普通預金など流動性預金を含みます)が不足し、個人の預金を会社につぎ込んで帳尻を合わせています。
経営のどこかに変調を来しているかどうか確認しておく必要があります。

一、 現金の動きは端的に業績を示す。

一口で、総括すれば業績が好調であれば、現金は増加し、業績が低調であれば現金は不足してきます。

従って、3ヶ月連続して現金が不足していれば、その原因を把握し、季節的な要因等と原因が明確に分析できれば安心できますが、経営のどこかに変調を来しているかどうか確認しておく必要があります。

二、変調を感じたら早めに対処。

悪いことはできるだけ後回しにしたいと思うことは心情的に理解できますが、業績変調期の経営判断は迅速を要します。

「もう少し早めに対処したら、方法はいくつもあったのに」と悔しい思いをすることです。

2、3日後に支払う給与の手当がつかないといわれても、事実上、対処の方法はないのです。

三、資金構造を考える。

赤字だから資金不足になったと考えている経営者が多いようですが、実は、資金不足のもう1つの要因は、貸借対照表の構造的な、ゆがみによることも大きいのです。

(1)本来の短期借入金はいくらか
経営者の方は、よく「運転資金が不足して」言われますが、本来の運転資金は、「売上債権+棚卸資産-買掛債務」で計算されます。従って、このように計算された本来の運転資金よりも短期借入金の額が上回っている場合は本来の運転資金以外の要因によっていることになります。たとえば、累積欠損金、実力以上の銀行の借入金返済、設備投資資金の調達不足、貸付金等事業外への資金流出です。このような場合は、早急に資金不足の原因を除去しなければ、加速度的に資金不足が累積していくことになります。

(2)長期借入金はいくらか
長期借入金は、固定資産残高の70%程度が原則的な額だと考えられます。しかし、この金額を下回っているとしても、資本金額と長期借入金の合計額が、固定資産残高を上回っている場合は特に問題はありません。

(3)月次試算表で確認する
3ヶ月連続し月次試算表の残高を確認し、次の金額の増減を検討します。売上債権、棚卸し資産の増加額、仮払金、貸付金の増加額、むこれらの資産の増加額はいずれも現金の減少をもたらします。また、これらの科目の減少額は、現金の増加要因です。売上や利益の減少を嘆くことも重要ですが、資産勘定の増減も現金の増減に大きな影響を与えることも認識しましょう。

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