今月の相談コーナー 毎月 経営に関する様々な疑問にお答えいたします
2015年1月号
経営の視点、将来の時点から現在を観る
一、 札幌市のかたちはどう変わる
日本創生会議の分析では札幌市の総人口は、これから二十五年間で二十四万人、約十二%の減少とされています。そのうち中央区は約四万人の増加見込みですが、そのほかの各区は軒並み大幅減と予想されています。また、市民の持家率も六十%を超え、空家率が十三%もある中で、アパートの入居者が、これからも増加していくとは考えられません。あなたは現在七十歳ということですが、先行きの相続を考えるとローン付きの中古マンションを相続する奥さんや子どもさんに重い負担を押しつけることにならないか、慎重に検討することが必要です。
人口減少時代の設備投資は十年後、二十年後の経済環境の予想から、現在の投資規模や資金調達方法の適否を検討する必要があるのです。
二、 今の利益か将来の継続的利益か
- 発注先を見ると、道内の中小企業がほとんどですが、これだけの企業に信頼され、堅実に売上高を伸ばしていることは、すばらしいことです。地元企業は基本的に地域や人とのつながりを大切にしていますから、長い付き合いの中で信頼を構築していくことが取引の基本です。当社製作の基本ソフトの改良や修復など、相手企業の発展に応じ、いろいろな需要が生じますから、それにきめ細かく応えて継続的な取引期間を通じて受注を積み重ねて行く視点を大切にしたいものです。これまでのような高度成長が望めない経営環境の中では、長期安定的な取引関係を通じ、売上の集積を図っていく戦略が重要です。
三、 七年目の浮気
- 業種にもよりますが、固定客としての寿命は七年間程度といわれています。この七年間の間にその顧客からいくらの売上げや利益を獲得できるかが専門店の業績を左右します。しかし、同時にいくら最高のおもてなしをしても固定客は七年程度で入れ替わって行くと言われています。どんな良い関係を築いても、いずれお別れする時が来るのです。次の固定客づくりに努力しましょう。